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「影響力の武器」のまとめ。ビジネス・恋愛などいろいろ使える、相手の隙と弱みを突く戦略について。

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ずるい相手が仕掛けてくる”相手の隙と弱みを突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた社会心理学の世界的名著「影響力の武器」

内容が濃すぎるので、ざっくりまとめて記事にしたいと思います。

 

 

 

導入部

影響力の武器とは?

 

この本の著者、ロバート・B・チャルディーニは実験社会心理学者です。

筆者は非常に騙されやすく、販売員や募金活動員など多くの説得上手な人に丸め込まれ、損をしてきました。 そんな中で、どんな要因によって人は要求を受け入れるのかという疑問を抱きました。 また、それらの要因を効果的に使って相手から承諾を引き出すテクニックにはどんなものがあるのだろうかと。

 

筆者はその疑問を解決すべく、承諾誘導のプロ、セールスマンや募金活動員、広告マンのテクニックや戦略を学ぶことにしました。 3年間にわたり、これらのプロを観察した結果、プロが承諾を引き出すテクニックは数あれど、その大部分は6つの基本的なカテゴリーに分類できることに気がつきました。

 

本書はその6つの原理①返報性②一貫性③社会的証明④好意⑤権威⑥希少性について数多くの事例を交えて紹介しています。

 

 

固定的動作パターン

 

知っておきたい知識の1つに、固定的動作パターンと呼ばれるものがあります。

固定的動作パターンとはある特定の刺激を与えられたときに無意識に行動することを言います。 まるで、いくつかの行動パターンを録画したテープが体の中に入っているかのようです。

 

例として、なわばりに侵入した敵を威嚇する動物があります。

この威嚇するという行動のテープを回すスイッチとなるのは、敵となる動物が持つたった一つの要素であることがほとんどです。

例えばオスのヨーロッパコマドリ。この鳥はなわばりに別のヨーロッパコマドリが近づいてきたとき、オレンジ色の羽毛が生えた胸の部分だけを攻撃することが実験で分かっています。仮にオレンジ色の毛をなくしたコマドリの剥製をなわばりに近づけたとしても、攻撃してきません。この結果から、”胸に生えたオレンジ色の羽毛”というスイッチが威嚇行動というテープを回すことが分かります。

 

この固定的動作パターンは鳥のような動物だけではなく人間にも言えることです。

人間社会で生きていくためには、多くの意思決定が必要です。何を食べるのか、どの商品を買うのかというようにです。 1つ1つの物事に対して、注意深く考えて分析することは時間やエネルギー消費の観点から非効率なため、人々はこれに対処するため思考の近道を用いています。

 

この思考の近道はステレオタイプ(固定概念)に依存しています。例をあげると「高いもの=良い品物」みたいな感じです。 日頃、私たちは全ての物事を自分の意志で決めていると思いがちですが、知らず知らずのうちに意思決定をしてしまっているのです。

騙されないためにも、人間のテープはどのような種類があり何がきっかけでスイッチが押されるのか理解しなければなりません。

 

 

コントラストの原理

 

もう一つ知っておきたい知識はコントラストの原理です。

コントラストの原理は、2番目に提示されるものが最初に提示されたものと大きく異なっていた場合、それが実際以上に異なって感じることをいいます。

 

例えば、不動産の物件紹介です。

不動産の営業はよく「当て馬物件」というボロボロで高い家を最初に紹介します。 その後で本当に売りたい家を紹介するのです。これにより本当に売りたい家を実際以上に立派に見せるのです。

 

 

返報性のルール

 

返報性のルールの概要

 

ここからは6つの原理の紹介です。

6つの原理の中でも、最も強力なのが返報性のルールです。

これは「他人がこちらに何らかの恩恵を施したら、自分は似たような形でそのお返しをしなければならない」というルールです。

 

返報性のルールについて心理学者のデニス・リーガン博士が行ったある実験があります。

 

その実験とは2人1組で仕掛け人であるAさんが1人で飲み物を買いに行ったとき

 パターン1:自分の分の飲み物だけを買ってくる

 パターン2:2人ぶんの飲み物を買ってくる

という2つのパターンでその後に、Bさんに「チケットを買ってくれないか?」と尋ねた際の購入率を比較するというものです。

 

この実験の結果、パターン2はパターン1の購入率の2倍だったそうです。

さらに、この実験では返報性のルールが意思決定に与える影響力だけでなく、要求を出してきた相手に対する好感度が要求を受け入れる傾向にどのような影響を及ぼしているかについても調査しています。

 

リーガン氏はこの実験で参加者にいくつかの評定尺度を用意して、仕掛け人に対する好感度を調べました。

その結果、Aの場合は好感度と購入率に相関関係が見られました。 それはそうですよね。好感度が高いほど、助けになりたい親切にしたいと考え、購入する人が多いはずです。

問題はBの場合です。なんとBの場合では好感度と購入率に相関関係が全くと言っていいほど見られなかったのです。 仕掛け人が好きだといった人も、嫌いだといった人もチケットを購入した枚数がほぼ一緒でした。 頼みごとをした相手に対する好感度という、普通ならかなり重要な要素の影響が無視されてしまうほど返報性のルールは強力なのです。 

 

返報性のルールが強力な理由

 

返報性のルールは、非常に不平等な結果を導き出すこともできます。

ある行為がなされた場合、受け手はそれと似た行為でお返しすることをこのルールは要求しています。 しかしこの行為には「幅」が存在します。

 

初めに小さな親切をするだけで大きな恩返しをする義務感を生じさせることもできてしまいます。 それでは、なぜ受けたものよりも大きなものを返そうとしてしまうのでしょうか?

 

これには2つの理由があります。

1つ目は「親切を受けたままにしていると不愉快な気分になるから」です。 恩義という心理的な重荷から解放されたいという一心で大きなものになったとしても早く返そうと考えてしまうのです。

2つ目は「返報性のルールを破る人は恩知らずのレッテルを貼られてしまうから」です。他人から親切を受け取るばかりで返そうとしない人は社会から「恩知らず」、「たかり屋」というレッテルを貼られてしまいます。

社会生活を営む上で、このようなレッテルを張られるということは避けなければならないことなので、そういわれたくないばかりに不当な交換を認めてしまうのです。

 

 

返報性のルールと譲歩

 

返報性のルールを使って承諾を引き出すもう1つの方法に譲歩があります。

 

これは「譲歩的要請法」というテクニックとしても有名です。

どのようなものかというと、まず相手が確実に拒否するような大きな要求を出します。 相手がその要求を断った後、それよりも小さなもともと受け入れてもらいたい要求を提示するのです。 相手は2番目の要求を自らに対する譲歩ととらえ、こちらも譲歩しなければならないと思い、要求を受け入れることになるのです。

 

このテクニックは先に紹介した「コントラストの原理」と「返報性のルール」の合わせ技です。 まず大きな要求をし、その後それよりも小さな要求をすることで、「コントラストの原理」により2つ目の要求を小さなものに感じさせます。また、相手に譲歩してもらったという気持ちにもなるため、自分も同じく譲歩しなければならないと感じ「返報性のルール」も適用されます。

この2つが合わさることで「譲歩的要請法」はすさまじく強力なものとなっています。

 

このテクニックでは2つ目の要求が実際に小さなものでなくともよいと言われています。 2番目の要求が客観的に見て大きいものだとしても、1番目の要求よりも小さいものでありさえすれば、 譲歩されたと感じこのテクニックが有効に働きます。

 

1つ目の要求よりも小さな要求であるということが重要なのです。

このテクニックを使う上で注意しなければならないのが、最初の要求が法外に大きいと逆効果になってしまう点です。 最初に法外な要求を出すと、誠実な交渉相手とみられなくなり、いくら要求を引き下げたとしても本当の譲歩だと受け取られません。

そのため、このテクニックを有効に使うためには、お互いが譲歩し、対案を出し合うのに必要なだけ、自分の最初の立場を誇張しておく必要があります。

 

 

返報性のルールからの防衛法

 

これまでの説明から返報性のルールという恐るべき敵と対峙した時、身を守るのは非常に難しいことのように思います。

しかし、このルールの本質を理解することで、自らの身を守ることができます。

 

対処法の1つとしては「そもそもルールを始動させない」というものがあります。

最初の好意や譲歩を拒絶してしまえばルールは発動しなくなります。 ですが、好意や譲歩を全て拒絶してしまうと、このルールを駆使して私たちを陥れようとする輩だけではなく、心から好意を抱き、申し出をしてくれる人たちの気持ちを素直に受け入れられなくなります。

 

なので一度、「この先、自分が何らかのお返しをすることになると心に留めありがたく行為を頂戴する」のです。 相手が親切心で申し出たのではないと感じたのなら、それ相応の反応をすればよいのです。

あくまでこのルールは好意に対して好意で返すというもので、策略に対しては好意を返す必要などないからです。

 

 

一貫性の法則

 

一貫性の法則の概要

 

ひとたび、決定を下したり、ある立場をとると自分の内と外、両側からその立場と一貫した行動をとるような圧力がかかります。

この圧力により私たちは自分が正しいことを自分にしたと言い聞かせ、正当化しながら行動するようになります。

このような原理を一貫性の法則と呼びます。

 

なぜ、一貫性があるように行動してしまうのかというとその方が周りからよく見えるからです。 もっと率直に言うと生きていく上でそのほうが都合がいいから。

一貫性のない人は、支離滅裂で裏表があるなんだか危ない人のように見られます。

しかし、一貫性があると論理的で合理的、さらには知的なイメージを持たれます。 周りから良い印象を持たれるためには一貫性があった方がよいのです

 

 

一貫性の法則と段階的要請法

 

一貫性を利用するためにはコミットメント、すなわち相手に立場を明確にさせる必要があります。 立場を明確にした相手は、テープを回されたかのように、その立場に一貫した行動をとり始めます。

このように一貫性を使って、相手を誘導する手法に「段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)」と呼ばれるものがあります。これは最初に小さな要求を飲ませて、その要求を段階的に大きくしていくというものです。

 

この手法で注意するべきなのが、一見小さな要求でも私たちの自己イメージに大きな影響を与えてしまう可能性がある点です。要求を受け入れることで似たような種類の大きな要求に応じやすくなるばかりか、最初に受け入れたことと全く関係のないような様々な種類の大きな依頼を受け入れるようになる可能性があるのです。

 

しかし、すべてのコミットメントが自己イメージに影響するわけではありません。行動を含むこと、努力を要すること、自分の意志で選ぶという条件がそろっていなければなりません。

 

この中で特に重要なのが、自分の意思で選ぶという条件です。

コミットメントを無理に引き出すだけではダメなのです。なぜなら人は自分が外部からの強い圧力なしに、ある行為をする選択を行なったと考えるときに、その責任が自分にあると認めるからです。

価値ある報酬は外部からの圧力の一種です。報酬を与えることで、コミットメントを引き出す事ができても、その行為に対する責任を認めさせることはできないのです。また強く脅すことも厳禁です。

脅すことにより瞬間的には言うことを聞かせられるかもしれませんが、長期間に及ぶコミットメントを引き出すのは不可能です。